ヨーロッパのパスポートを持つ家禽
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2020

「ヨーロッパで愛される鳥肉」キャンペーン開始

「ヨーロッパで愛される鳥肉」キャンペーン開始

202061日、「ヨーロッパで愛される鳥肉」と題される広報・販売促進キャンペーンが開始されました。二年間にわたり、日本、および香港ならびに中国本土でEU産鳥肉の高い品質について宣伝をする予定です。

欧州連合(EU)は、世界でも有数の鳥肉輸出地域です。2019年、同地域内では、鳥肉生産量の74%が上位6か国により占められています。その構成国はポーランド(260万トン)を筆頭に、スペイン(173万トン)、フランス(170万トン)、ドイツ(160万トン)、イタリア(130万トン)、そしてオランダ(100万トン)です[1]。生産品目の上位を占めているのは、ブロイラー(1287万トン)に続き、七面鳥(200万トン)とアヒル(53万トン)です。生産量でEUをしのぐのは、米国(222万トン)と中国(168万トン)だけあり、EUに匹敵するのはブラジル(141万トン)のみです。これらの主要生産国と地域の中でも、EUは家禽の飼育と鳥肉の生産において際立った方法を採用しています

世界各地で、鳥肉生産と消費量は着実に増えています。鳥肉はさまざまな理由から食材として人気を集めており、今後も需要の増加が見込まれています。このことから、鳥肉の特徴や産地についての情報と知識は、消費者にとってますます重要となっています。「ヨーロッパで愛される鳥肉」キャンペーンは、食肉業界関係者、コンサルタント、販売業者、料理人、宿泊・飲食関係者などを対象としていますが、これらの方々を通して消費者の皆様にも食品についてより知っていただくきっかけを手供することを目的としています。

ヨーロッパでは、高い要求基準と厳格な食品生産規制を守りながら、鳥肉が生産されています。EUの食品法において、「農場から食卓まで」というコンセプトが一つの根幹をなしています。これは、あらゆる関係者が安全に対して責任をもって食品を生産するという原則です。また、2020年には欧州グリーン・ディールの一環として、持続可能な開発を通した食品の品質、倫理水準、環境水準の向上を目指すEU戦略が掲げられました。家禽生産業者は、これに対応して、より革新的な方法で、環境負荷を低減した持続可能な農業を実現することが求められます。結果として、鳥肉の基準と品質はますます改善されていきます。

本キャンペーンは、鶏肉だけでなく、七面鳥、アヒル、ガチョウなど、ヨーロッパで飼育が盛んな他の鳥の肉も対象としています。いずれの鳥肉も、味、栄養、料理への応用範囲において卓越しています。本キャンペーンでは、日本と中国の消費者の皆様に、EU産鳥肉の品質、生産工程、および安全性について理解を深めていただくことを目的としています。EU内での家禽の飼育と鳥肉の生産に適用される基準などが、どのように世界で定評のある欧州産鳥肉の品質を支えているのかを詳しく説明する予定です。同時に、EU産の幅広い家禽製品も紹介していく予定です。

EUは高級羽根と羽毛の輸出においても、主要な地位を確立しています。これらは、主にガチョウ(グース)から採取されています[2]。2019年、EU加盟28か国は、総額2億4000万ユーロ近くに相当する11,200トンの羽根を輸出しました[3]。それらを高級布団、枕、冬服などの素材として輸入しているのは、日本、台湾、米国、ベトナムなどです。

本キャンペーンでは、日本と中国の家禽、食品、宿泊、飲食などの産業に従事する方々と食品貿易を支援する団体関係者との会合も催す予定です。本キャンペーンは、デジタルメディアでも展開される予定です。

[1] https://ec.europa.eu/info/sites/info/files/food-farming-fisheries/farming/documents/poultry-meat-dashboard_en.pdf

[2] https://oec.world/en/profile/hs92/bird-feathers-and-skins

[3] https://madb.europa.eu/madb/statistical_form.htm