ガチョウも、紀元前約2000年にエジプトで家禽化され、何千年も人と共生してきました。その後、地中海沿岸でも飼育が盛んになり、ギリシャやローマにも伝わりました。伝説によれば、永遠の都に暮らすローマ人を侵略から守ったのはガチョウだと言われています。ガチョウの自然な飼育法はヨーロッパで長年守られてきました。環境に敏感なガチョウは、少数で飼育する必要があり、大規模な集約的飼育はほぼ皆無です。それでもなお、農業市場が発達しているEUは、大量供給と効率的な物流を実現しています。ガチョウは、新鮮な植物を食べられるよう平飼いされており、閉じ込められてはいません。アヒルの場合と同様に、良好な環境を維持することで、とても高い品質の羽根や水かきを生産することができます。これらは、環境に特に影響を受ける部位です。通常の濃厚飼料に加え、ガチョウ1羽あたり最低100‐150 gの青刈飼料が与えられます。多様なハーブが混ざった青刈飼料には、生育を育成するわけではありませんが、健全な消化を助け、免疫力を付けるのに重要です。最終段階では、よくオート麦が与えられます。これにより、脂が程よくのり、肉の味わいが深くなります。最後の3週間に主にオート麦で肥育した欧州産ガチョウは、輸出品として人気を集めています。ポーランドは、このオート麦肥育ガチョウの飼育システムを発達させ、市場でも指導的地位を確立しています。ヨーロッパで有名の品種としては、ホワイト・コウダ、セバストポルスカ、トゥルジースカ、アルザツカ、およびエムデンが挙げられます。ガチョウの生体重は、品種、性別、飼育法に関わらず4から8 kgに達します。たいていの場合は、生後17週目まで飼育されます[1]。時間をかけてゆっくり育成させ、種類が豊富な飼料を与えることで、pH値が5.7-5.8の歯切れと噛み応え[2]のある良質な肉が生産できます。ビタミンA、E、PPとB群に富み、脂身にはオレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
[1] http://rolniczeabc.pl/285164,Praktyczne-zalecenia-w-odchowie-gesi-owsianej.html
[2] https://www.ibprs.pl/wp-content/uploads/2018/08/PNiTPRS-2015-nr-3-RozdzialVII.pdf