ニワトリ
他の食肉に比べて特に栄養価が高いのが鶏肉です。鶏むね肉100 gには、タンパク質が約30 g含まれますが、脂肪分は3.6 g程度と、脂身がかなり少ないのが特徴です[1]。理由の一つに、肥育期間の短さが挙げられます。ケージ飼育では6週間で体重2.5 kgに達し、平飼い8週間でかなりの体重となります。鶏ささみの5分の1から4分の1がタンパク質であり、カロリー、コレステロール、飽和脂肪酸のいずれも少ないため、鶏肉は栄養価が高いと評価されています。ビタミンD、ビタミンB群(B6 、ナイアシン、パンテトン酸)、リン、カリウム、セレンなどを含め、ビタミンとミネラルも豊富です[2]。このため、鶏肉はあらゆる世代の方々に食されています。幼児食に初めて取り入られる肉といえば、たいていが鶏肉であり、高齢者向けの食事にも積極的に取り入れるべきです。スポーツ愛好家や減量ダイエット中の方々にも人気です。また、調理が簡単で、オーブン焼き、炒め物、煮物、そしてまろやかな料理、辛口料理でも活躍する食材です。
[1] https://nutritiondata.self.com/facts/poultry-products/703/2
[2] https://nutritiondata.self.com/facts/poultry-products/703/2


七面鳥
七面鳥の肉は低カロリー食に活用できます。皮なしのささみ100 gは84 kcal程度[1]です(鶏ささみの場合は約110 kcal)。身体に必要なビタミンB群(ナイアシン:B3 、ピリドキシン:B6、パンテトン酸:B5 )、リン、カリ、亜鉛も含んでいます[2]。栄養士は、幼児、妊婦、授乳婦、回復期の患者、高齢者、減量中の方に、七面鳥の肉を摂取するよう勧めています。 七面鳥は部位によって用途が様々です。消化に良い食事に手早く使えるだけでなく、お祝いの席でのオーブン焼きにぴったりです。
[1] https://www.tabele-kalorii.pl/kalorie,Filet-z-piersi-indyka-Rewis.html
[2] https://nutritiondata.self.com/facts/sausages-and-luncheon-meats/1390/2
ガチョウ
ガチョウは、高貴な食鳥とされています。味が豊かで栄養価も抜群です。カロリーは他の鳥肉に比べるとかなり高い(100 gあたり約300 kcal)のですが、 脂分は一価と多価の不飽和脂肪酸を含んでおり、鶏肉や七面鳥に比べて圧倒的にオメガ3とオメガ6脂肪酸が豊富です[1]。 ガチョウの肉は脂身が多く、6 kgの丸鳥をオーブン焼きした場合、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸をたっぷり含んだ油が1リットル溶け出してきて、様々な方法で活用できます。肉にはビタミンB群(特にナイアシン)、リン、カリも含まれています。
ガチョウの飼育は季節に限定されており、秋からが旬です。ポーランド、ドイツ、ハンガリーなどで守られるキリスト教の伝統によれば、ガチョウを食し始めるのは、11月11日(聖マルティヌスの日)が良いとされています。ガチョウは屋内に閉じ込められた生活には向いておらず、小規模の群れで草地に放し飼いする必要があります。産卵時期は1月から7月まで、3月から8月初旬まで孵化します。副産物として採取できる羽根と羽毛は、軽く、保温性と通気性に優れ、布団、枕、コートの詰め物に利用されます。かつてのヨーロッパでも、花嫁が嫁入り先に持参するガチョウの羽毛でも家柄が判断されたほどです。また、ガチョウの脂は、伝統医療の中で、風邪薬や関節痛に効く軟膏に用いられてきました。
[1] https://nutritiondata.self.com/facts/poultry-products/786/2


アヒル
アヒルは、ガチョウと並んで、高貴な食鳥とされ、その肉はより洗練され手の込んだ料理に好んで用いられます。ヨーロッパの料理人は、リンゴ、オレンジ、干しプラム(プルーン)、カシス、ブルーベリー、さらにはマンゴーやパイナップルなどといった甘酸っぱい果実とアヒルの肉をよく組み合わせています。また、胡椒、カレー、キノコ、ダークチョコレートなどで、多彩な味付けもなされます。
アヒルの肉は、色が深く、歯切れがよく、ジューシーです。長時間オーブン焼きにしても、その良さは失われません。皮なしのむね肉は100 gあたり約140 kcalと脂身が少ない一方、タンパク質は何と28 gも含まれています[1]。全体としては脂身が多く、オーブン焼きにすると油がたくさん溶け出してきます。アヒルの脂は熱に強いため、他の炒め物やオーブン焼き料理に利用できます。
消費者に人気が高いのは、8‐10週目に体重2‐3 kgに達したアヒルの肉です。脂身が多いので、日常の食事をたまに補う程度に食べることをお勧めします。皮なしのむね肉100 gのおよそ4分の1がタンパク質です。アヒルの肉には、リン、カリ、亜鉛、鉄分、ビタミンB1とB3(ナイアシン)が含まれています。
[1] https://nutritiondata.self.com/facts/poultry-products/938/2